徒然あじさい日記

言の葉を綴ります。

フジファブリック・ストーリー1

茜色に染まりつつある夕日を眺めながら午後六時のチャイムに耳を傾ける青年。遠き山に陽は落ちてのメロディが今日はなんだか胸に響いて。そして、今ではそのメロディが誕生日と命日に貴方の曲になっていますよ、と告げる。彼の故郷、富士吉田の悲しくも優しい物語。

 

この世のアーティストの中でファンがこれほど故郷に来るのは彼くらいなのではないだろうか。故郷を愛してやまなかった彼の生きた街がほとんどそのまま残っている。下吉田てくてくマップというものがあって、それを見ながら彼の跡を回っていく。お墓参りをして、彼の念願だった市民会館でのライブ会場を訪れ、市役所のチャイムを聴いて帰る。

 

彼は若くして亡くなってしまったけれど、作詞作曲ギターボーカルがいなくても、メンバーはフジファブリックを続けた。このことは彼にとってどれだけ嬉しいことだろう。メンバーに愛され、ファンに愛され、彼は生きた。その証がここにはある。

 

 

この続きはまた。

 

紫陽花より